【ビットコインの話題だけじゃない!】実は今かなりホットな『金融×IT』スタートアップの最近のトレンド
最近ビットコイン関連のニュースをよく目にしますね。
実際のところ普及するのかどうかがすごく興味深いですが、ビットコインと同じくらい注目しておきたいのが、『金融×IT』のスタートアップの動向。
Tech系のメディアを見てる方は「そんなこと知ってるわ」と思われるかもしれないですが今この分野はすごくアツい分野です。
国内でもそうですが海外、特にアメリカだけでなくヨーロッパやアジアでも多くのスタートアップが生まれて、実際に出資を受けるに至っている会社・サービスが多くなってきています。
そこで今回も、金融×ITに関しての最近の投資状況を中心とした動向をメモがてら残しておこうと思います。
【国内】4つのスタートアップ
まずは国内のスタートアップに関して。これはもうあまりにメジャーなので少し触れる程度にとどめておきます。
「金融系のWebサービス」といっても、決済、送金、資産管理、保険などいろいろありますが、(資産管理の中でも、手持ちの口座を1つにまとめて管理できるものから、家計簿サービスまで様々です)今回は直近で資金を調達したホットなスタートアップを4社ほどメモしておきます。
●決済・・・Coiney
●資産管理(アグリゲーション)・・・マネーフォーワード、Moneytree
●保険・・・INSNEXT(株式会社トイロ)
この4つサービス(会社)が最近資金調達をしています。
■決済
まずCoineyに関しては中でもメジャーなサービスですが、専用リーダーをイヤホンジャックに装着すれば簡単にクレジットカード決済が出来るようになる、モバイル決済サービス。この領域は今更言う必要ないですがSquareやPayPal Hereなどかなり白熱してきております。
ターゲットは少しずれる(中小企業と大企業で)ようですが、企業向け決済プラットフォームPAYGATEを運営するロイヤルゲートも先月10億円の出資を受けて加速中です。
ちなみにCoineyは8月に5億円、先月8億円に出資と短期間でトータル13億円もの資金を調達しております。
■資産管理
続いて資産管理系に関しては、マネーフォーワードが5億円、Moneytreeが1.5億円程、どちらも先月調達のニュースがありました。
これらのサービスは自分の持っているクレジットカードや銀行口座の情報を一括で管理できることが特徴で、そこから自分の資産をWeb上で簡単に把握することが出来ます。
ちなみにマネーフォーワードはマネーフォーワード For BUSINESSというビジネス用のサービスを29日にリリースしたようです。確定申告や決算をサポートするアプリとのことで、 今後の展開が注目です。
■保険
最後に少し系統が変わって、生命保険などの保険の比較サイトINSNEXTを運営するトイロも先日サイバーエージェントベンチャーズから出資をうけたことがニュースになりました。
保険の比較に加え、質問に答えることで生涯の収支をシミュレーション出来る、ライフプランシミュレーション機能が特徴的なサービスです。元ZyngaJapanのメンバーの方々が創業されている点も注目ですね。
【海外・決済】
ここからは海外の状況に関してざっくりとメモ。
まずは決済関係ですが、特にアメリカでは日本以上にSquareなどの影響力が強いはずなのにまだこの分野のサービスが出てきているからすごいです。
少し特徴的なものでいくと、先月600万ドル調達しているFlintというサービス。このアプリは他のサービスと違い、クレジットカードの情報を読み取る専用のデバイスがいっさい必要なく、スマートフォンのアプリさえあれば決済が可能。よりシンプルに決済できるのが売りです。
またロシアでも個人間の決済がオンラインで簡単に出来るアプリRocketBankが200万ドル調達しています。
この関連で今アツいのが国外にお金を送れる送金系のサービス。100万ドルを調達したイギリスのAzimoを始め特にヨーロッバでこの手のサービスが多く、「そんなところも投資を受けてるんだ!」的な観点でいくとリトアニアの TransferGoが20万ユーロ調達していたりします。
もちろんアジアでも送金系のサービスはあって、シンガポールのfastacashが300万ドルの資金を調達しています。
こういうのを見ていても、日本を含めたアジアやヨーロッパはけっこう投資を受けるようなサービスが近い印象を持ちますね。
一方でやはりアメリカは少しトレンドが進んでいる印象で単純な決済関連のサービスはまだ多いものの旬はすぎた印象。最近だとヘルスケア×決済という軸で、病院の決済に特化したSimpleeが10億円を調達するなど少し先を行っている感がありますね。
【海外・資産管理】
次に海外の資産管理系のサービスに関しても、サービスの概要についてはマネーフォーワードなどに近いものが多いです。
金額が大きいものだとアメリカのCheckが2400万ドル(約24億)を調達していてアメリカでも注目の資産運用ツールとなっています。
同様にLevelというサービス(上の画像のサービスです)も5億を調達しています。機能はそこまで変わらないようですが、リアルタイムにメーターでいくら使ったか、残りいくら使えるかが直感的にわかるので、僕みたいにお金の管理が苦手な方には、よりプレッシャーを感じやすく良いのではないかなぁと思います(笑)
スイスでもCentralwayという同様のアプリを運営するNumbrsが380万ドル調達しています。
【海外・その他】
最後にそれ以外でアジアの金融系のサービスを2つだけメモして終わります。
1つ目は金融系の比較サービス、iMoney。こちらはマレーシア発のスタートアップで、クレジットカードや自動車保険などの比較・検討が出来るサービスです。500 Startupsなど国外のベンチャーキャピタルから出資を受けているのも注目です。(200万ドル)
最後に紹介したいのがシンガポール発のスタートアップ、MyHero Limited。この会社が運営するのは、TradeHero という株式投資のシュミレーションが出来るアプリ。今までとはちょっと違った切り口のアプリで、アプリ内の仮想通貨を使って投資を体感し、ゲーム感覚で投資が学べるアプリとなっています。1000万ドルを調達していることからも、今後が注目のアプリです。
【※追記】
先日同世代の方が作ってるサービスを教えてもらって、あのサービスも広くいえば金融に該当するかなーと思ったので、国内のトピックとして追記しておきます。
POSITION STRATEGYという上場企業の売上高や利益のデータを見やすくグラフ化して表示したり、比較したりできるシンプルなサービスなのですが、機能が複雑すぎず見やすいので良いのではないかなーと。
企業分析・業界分析ツールといえば、1年程前に2億円強を調達したUZABASEが運営するSPEEDAが有名どころですが、SPEEDAの顧客層が金融系の専門知識がある程度ある方向けなのに対して、今回紹介したPOSITION STRATEGYは、そういった知識がない方向けとのこと。それこそ学生が企業分析したいとなったときなどに使いやすそうです。
まだサービスを立ち上げたばかりではあるそうですが、先日行われた東証主催のアプリ開発コンテスト「ソーシャルかぶコン」では審査員特別賞を受賞するなど、今後の成長が楽しみなサービスです。
終わりに
ということで、金融系のサービスが日本やアメリカのみならず、ヨーロッパ・アジアなど、今世界中で注目されているのがわかって頂けたのではないでしょうか。
個人的には最後に紹介したTradeHero が楽しみです。